近年マーケティングの手法として漫画が注目を集めています。
漫画は日本を代表するコンテンツであるだけでなく、若い世代から年配の方まで幅広い世代に親しまれています。
旧来は子供のものというイメージが強かったですが、近年は大人も含めて世の中に広く受け入れられているのは、ご存じの通りでしょう。
また、進研ゼミで有名なように広告の手法として、漫画を通してわかりやすく商品の魅力を伝えることができるのも漫画の特徴です。
弊社はBtoB向けのコンテンツマーケティングをメインに行っていますが、漫画にも力を入れています。
実際に、漫画専門のチームがあり、今までに4000ページ以上の漫画を作ってきた実績があります。(2020年12月時点)
このようなマーケティングに活用した漫画づくりにおけるノウハウは他の会社に負けないと自負している当社だからこそ語れる漫画の利用の仕方や制作方法、注意点などについて今回は解説していきます。
1.漫画を使った広告宣伝のメリット

興味関心のフックになることが最大のメリットです。
漫画にすることで多くの人の目に止まりやすい上、手にとってつい読んでしまうなど、ユーザーの「ちょっと見てみようかな」という気持ちを起こさせやすいことが特徴として挙げられます。
内容は同じでも漫画であるというだけで文章よりも興味関心をそそられやすく、また、通常の写真や表より親近感が湧きやすくイメージしやすいのも大きな特徴です。
また、ストーリーに載せることで理解が進みやすいため、従来であれば理解が難しかったものでも理解を促進できます。
写真などでは違和感が出てしまうような現実的でないものを表現できるだけでなく、登場人物の経験として喜怒哀楽とともに疑似体験させることで説得力を増し、読者の購買意欲をそそることができるコンテンツであると言え、プロモーションに非常に向いている手法です。
SNSとの相性も高く、漫画の内容によっては広告の要素を薄めることができるため、漫画自体がバズり拡散される可能性もあります。
もちろんそのような漫画にするためには内容の企画が非常に重要にはなりますが、広告っぽさがないプロモーションをすることができることは、他のコンテンツにはあまりない漫画独自の特徴と言えます。
2.漫画を使った広告宣伝のデメリット
このようにメリットが多い漫画を使ったマーケティングですが、当然ながらデメリットも存在しています。
・コストがかかる
漫画の制作においての最大のデメリットが費用の増大です。
従来のチラシやポスターと比べると制作費だけでも約2倍から3倍以上、コマ数の多さによってはそれ以上のコストがかかってしまいます。
また、漫画の内容にもよりますが読者の理解を促すような漫画にするとどうしてもコマ数が多くなりコストが上がってしまいます。一枚物のLPのようなものであれば写真を活用すれば2,30万円程度で済みますが、漫画を使ったものでは漫画をかなり減らしても5,60万円、漫画をしっかりと使っていけば100万円以上と大きなコストが掛かってしまいます。
・権利関係が複雑
納品された漫画は自社で自由に使えると考えてしまう企業は多いですが、漫画の世界においてはその考え方は一般的ではなく、漫画における著作権は譲渡されるものではなく用途を限った使用許諾になります。
チラシのために漫画を作ったとして、チラシの内容を改変せずに印刷するのであれば問題ないですが、チラシの内容を画像化してHPに掲載する、あるいは漫画を変えずにチラシの文面だけを変えて印刷する場合、二次使用にあたってしまい、契約にもよりますが問題になるケースがあります。
このように一般的な感覚と実際の権利関係がマッチしない部分があるのが漫画を使うことの難しさの一つです。
・イメージと成果物が異なる
漫画に関して、非常に多く起こっており、コストが上がってしまう要因になっています。
ミスマッチのパターンとしては2通りあります。
ギャップ1:プロットと漫画家の理解のギャップ
プロット(漫画の指示書)と漫画家の理解の齟齬に依るギャップが一番多く発生しています。
特に、ビジネス用途で漫画を制作する場合、どうしても内容が専門的になりやすい一方で、漫画家は当然、その業界の事を詳しくないため、理解のすれ違いが起こってしまいます。
ギャップ2:漫画のクオリティのギャップ
もう一つは、漫画のクオリティのギャップです。
発注する漫画家を決める際にポートフォリオを確認することが多いですが、多くの漫画家は今までで最もできが良かったものを一番いいところに置くことが多いのに対し、企業は発注すればそのレベルのものができると思ってしまいます。
特に漫画家の実績の中でも、趣味で書かれた漫画は要注意です。
趣味で作成した者は、本人が好きで作成しているため、自分が納得するまで時間をかけてまでクオリティを高めるためです。
その一方で仕事での案件の場合には時間的な制約や本人のモチベーションなど含めてクオリティが低くなりがちなので注意が必要です。
このようなミスマッチを防ぐためのノウハウ・ポイントをご紹介します。
ギャップ1の対策:プロットに解説を交える
ギャップ1の場合、齟齬が起きる要因は「専門的な内容になること」と「伝えるノウハウが不足すること」の2点です。
従来、漫画家への発注はプロットと呼ばれるストーリーの要約だけで済ませる場合多いのですが、我々としてはコマ割りやセリフなどを決めたネームも合わせて送ることをおすすめしています。
ネームはいわゆる漫画の下書きであるため、難易度は高いですが細かい設定や構図まで指示を出すことで意図した内容に沿ったものが完成する可能性がぐっと上がります。
ギャップ2の対策:ポートフォリオの見極め方
漫画のクオリティのに関しては、漫画家のポートフォリオの見極めが重要になります。
趣味で描いたものは参考程度に済ませ、ポートフォリオを見た上で、漫画家にこのポートフォリオのこのキャラクターくらいまで描き込んでほしいなど要求しましょう。
趣味かどうかは作風などで判断できると思いますが、判断が難しい場合には、漫画家に「ビジネスで執筆したものはどれか?」と確認するとよいでしょう。
そして、ポートフォリオの中でも作風を具体的に指示して、この作風でお願いしたい旨を伝えましょう。
漫画家としても、ポートフォリオに記載しているようなクオリティは、時間さえかければ達成できるような場合がほとんどです。
また、どのくらいの時間をかけてそれを描いたのか漫画家本人ははわかっているため、しっかりと話し合って理解を深めればギャップを埋めることができます。
また、漫画などを広告に利用した経験が少ない方から見れば一緒に見えるかもしれませんが、イラストと漫画は違う、ということを理解することも重要です。
イラストのほうが書き込みも多く気合を入れて時間をかけて作る事が多い一方で、漫画は絵の量も多く必要でスピードも重要になります。
発注主がイラストの感覚で発注したものの漫画家側が時間などとの兼ね合いから漫画の感覚で描いたりすることもあるため、このあたりの理解を深めることがギャップを埋めるためには重要です。
また、細かい点ですが、背景などの書き込み具合なども指示すると良いでしょう。
漫画家とのコミュニケーションは文字のコミュニケーションになってしまう事も多く、漫画についてはビジネスとして定型的になっているものではありませんので、クオリティー・品質面での齟齬が産まれやすい状況になっています。
そのため、かなり細かく指示する必要があるため、背景などについても具体的に指示をしていきましょう。
漫画家については、交渉が不得手な方も多い上、工数の調整は漫画家側が容易に出来る事から、漫画家側がそのお金では背景などは描き込めないということで、背景をグラデーションだけにしたり、無地にしたりして、想定のミスマッチが生まれることもあります。
出来れば多めの予算を用意するか、背景なども指定していくようにしましょう。
3.漫画の制作ってどうやって依頼すれば良いの?発注できる相手の種類

このように漫画を活用したマーケティングはなかなか大変ではありますが、やはり漫画を活用した手法は非常に効果的ともいえます。
そこで、ここでは、具体的にどのように発注・依頼していけば良いのかを解説していきます。
(1)漫画の専門の会社への依頼
カタログやチラシ、HPなどの漫画の制作をしてくれる専門の会社となっています。
よく勘違いしてしまいがちなのですが、漫画の制作を依頼すればあとは自動的に「チラシ」や「カタログ」「ホームページ」になると考えてしまう方が多いのです。
しかし、実際には、漫画家に制作を依頼しても、できあがった漫画はただの画像でしかありません。
それをそのまま印刷会社に依頼しても、チラシなどにはならないのです。
一方で、漫画の専門の会社であれば、「チラシ」や「カタログ」「ホームページ」になるところまでサポートしてくれるため、非常にスムーズに対応できるのが、ポイントと言えるでしょう。
ただ、彼らは漫画の制作のプロフェッショナルではあり、「チラシ」や「カタログ」「ホームページ」になるところまでは経験があります。
しかし、実際にマーケティングに関しては、そこまで深い知識を有していないケースが多いため、その点には注意しましょう。
一方でコストとしては高くなってしまいがちとも言えます。
(2)フリーランスや外部の漫画家への依頼
近年では、漫画家自身が自分で案件を募って製作するケースも多くなっています。
例えば、クラウドソーシングのサービスなどを活用して、漫画家と直接やりとりを行って、フリーランスや外部の漫画家に案件ごとに発注できるようになっています。
この手法であれば、コストを非常に安く抑えることができるのが最大のメリットです。
しかし、漫画家に依頼しただけでは、チラシなどにはならないため、他のデザインなども行わなければならないデメリットもありますし、調整なども自身で行わなければならず、漫画家との齟齬も発生しやすい点に注意しましょう。
(3)マーケティング会社への依頼
3つ目の選択肢としては、一方、我々のような漫画も使用できるコンテンツマーケティング会社も検討する価値があります。
このような会社は漫画という手法に限定していないのが強みです。
漫画専門の会社や漫画家は漫画を使うことありきになるため、漫画を使うことがゴールであればそれでいいですが、本来必要のない部分にまで漫画を使うことになる場合があります。
当社のクライアントでは漫画を使ってみたいというニーズをお持ちでも、コスト面などを勘案して全てでなく一部漫画を使うなどの提案をさせていただく場合があります。
漫画専門の会社や漫画家の場合は各ページに2,3個のイラストなど漫画の量が少なければ旨味を感じないため漫画の量がどうしても多くなりがちですが、我々のような業者の専門はコンテンツマーケティングであるため、顧客のニーズに本当に合わせた対応が可能です。
漫画専門会社 | 漫画家直接 | 漫画もできるマーケティング | |
価格 | 高い | 安い | 普通 |
クオリティ | 高い | ケースバイケース | 高い |
漫画以外の手法 | × | × | ○ |
発注主の手間 | 少ない | とても多い | 少ない |
4.弊社はコンテンツマーケティング専門の会社として、漫画制作を行えます!

弊社はこのようにコンテンツマーケティング専門の会社として、漫画制作を行っていますが、社内に漫画製作のプロチームがいますので、クオリティに関して漫画制作会社に負けないレベルを担保できます。
また、漫画家の多くは他の会社などにも所属している場合が多く、当社に在籍する多くの漫画家はいろいろな漫画専門の会社にも所属しています。
逆位に言えば、漫画専門の制作会社の漫画家も当社に在籍していますので、そういった意味では、漫画専門の会社と漫画以外も行えるマーケティング会社のクオリティはそこまで違いません。
一方で我々は、漫画専門の会社ではないことから、漫画を絶対に使用しないといけないという制約がないのがメリットです。
また、コストの面から漫画家に直接依頼する場合もあるでしょう。
我々の漫画家と同様のクオリティの方に依頼できるのであればいいですが、そのようなレベルの高い漫画家をクラウドソーシングのサービスなどで見つけることは簡単ではありません。
なぜならば、実際に当社は漫画家の採用率を1,2割程度とかなりふるいにかけてレベルの高い漫画家を選別していますが、クラウドソーシングのサービスにはそういった選別が全くないためです。
また、漫画家にとってもクラウドソーシングのサービスの場合、直接案件が貰えるメリットはある一方で発注主と諸々と調整をしないといけないというデメリットがあります。
この工数はとても多いだけでなく、こういった調整をそもそもしたくない漫画家さんも非常に多いのです。
そのような観点を踏まえてぜひ当社の利用をご検討ください。