このコンテンツでは、オウンドメディアの運用におけるKPIの管理や設定方法についてを解説していきます。
オウンドメディアの運用では、想定されるユーザーの意図に寄り添ったコンテンツを制作していくことが求められるため、数多くのコンテンツを制作して、公開していくことをお勧めしています。
その際にオウンドメディアの成果を把握したり、効果を最大限に高めるには「KPI」と言われる手法で管理していくことが一般的です。
KPIそのものは管理手法として、とても素晴らしいものではありますが、コンテンツマーケティングの運用においては、KPIに囚われすぎてしまうことで、目的と手段が入れ替わるなどの事象が生じやすいとも言えます。
そこで、今回はオウンドメディアの運用における【KPI】に特化して、コンテンツ作成のポイントや具体例について解説していきます。
なお、この記事に関してはアクセス解析(Google Analytics)について最低限の知識理解を持っている人向けの内容です。
もし、このアクセス解析(Google Analytics)が何なのかこちらについてあまりわからない人に関しましてはGoogleAnalyticsを専門にした解説記事もあるのでそちらも見てみてください。
1:【KPI】とは?【オウンドメディア】とは?

まずはこの記事で用いる重要なキーワード【KPI】・【オウンドメディア】についてを解説します。
【KPI】
KPIとは、Key Performance Indicator(キー・パフォーマンス・インジゲーター)」の頭文字をとったものです。
日本語訳では「重要業績評価指標」と訳されますが、イメージがしにくので「キーとなる重要な指標」程度で理解しておくと良いです。
【オウンドメディア】
オウンドメディアとは自社が所有しているメディアのことです。
自社が所有しているため、内容に関して制限を受けずに投稿できるというメリットがあります。
このオウンドメディアについては、他の記事でさらに詳しく紹介していますので、興味がある方はぜひご覧ください。
2:そもそも、【オウンドメディア】についてを簡単に解説!

ここで、オウンドメディアで把握すべき3点について紹介します。
・メリット1.:伝えたいことを伝えられる
先ほどもお伝えしたように、オウンドメディアは自社が保有しているメディアであるため、どこからの制約も受けずに情報を公開することができるのが最大のメリットです。
従来の方法では、お金を支払って広告媒体に広告を掲載することが一般的でした。
このようにお金を支払って掲載するメディアのことを【ペイドメディア】と呼びます。
この場合、文字数や大きさ、写真の数などは金額と連動することになり、金額面の成約を受ける事になります。
さらにそれだけではありません。
広告媒体側のルールが有り、使える文字や写真などに制限がある場合もあります。
このような事によって、今までのメディアでは自由に伝えたいことを伝えることはできませんでした。
それが、このオウンドメディアによって解決されたと言えます。
自社の伝えたいように伝えることができるのは他の広告手法と比べても独自性があり、他社と差をつける良い戦略だといえます。
・メリット2:広告費が掛からない
自社で保有している以上、広告費用が掛からないのは当たり前かもしれませんが、これはお金が掛からないと言うこと以外にも大きなメリットがあります。
というのも、オウンドメディアを所有することは【スピーディさ】と【気軽さ】というメリットをもたらします。
【スピーディさ】
ペイドメディアでは、何か広告を行いたい場合、その都度料金の見積もりをし契約を行った後に掲載してもらうという流れでした。
しかし、これではかなり時間が掛かってしまいますので、早期にアピールしたいこと、伝えたい事を伝えられません。
一方で、このオウンドメディアではそのような心配は要りません。
何か情報を素早く公開したい場合に、自社が管理しているからこそスピーディーに公開することができます。
【気軽さ】
従来のペイドメディアでは、公開したい情報があった際には当然、お金と時間が掛かってしまいます。
そして、広告主は営利企業であるため、当然、費用対効果を重視せざるを得ません。
そのため、本来であれば伝えたい内容であったとしても費用対効果が期待できない場合、公開できないというケースが多くなります。
しかし、オウンドメディアを持っていればその心配なく情報公開が可能です。
これだけではイメージがしづらいかも知れませんので、具体的なイメージをご紹介しましょう。
【イメージ】
新しい広告を作る為に、有名人を起用を行いCM撮影を行った
*従来のペイドメディアの場合
完成したCMを広告費を支払って、流して貰う
*オウンドメディアの場合
その有名人のCMの撮影風景やオフレコの映像などを掲載する。
或いは、CMの企画段階の途中なども掲載することでコンテンツにする。
このように、通常のペイドメディアではなかなかお金を支払ってまで掲載できないような情報をオウンドメディアでは掲載することができます。
そして、そのような情報こそ、コアなファンに響く情報とも言えるため、オウンドメディアは非常に有効な手法と言えるのです。
・メリット3:情報が蓄積される
ペイドメディアだとせっかくお金と時間をかけて掲載した内容でも、掲載期間が終了してしまえば削除されてしまいます。つまりはその掲載期間だけでないとコンテンツが効果を発揮しません。
一方、オウンドメディアでは、削除しない限り情報は蓄積し続けます。
そのため、長い目で見ても、オウンドメディアを所有し情報を蓄積していくことは、その後の会社の資産になるのです。
3:【オウンドメディア】の運用で出てくる課題とは?

ここまででオウンドメディアとは何か解説しました。
では次にオウンドメディアを運営していく際の課題について紹介します。
課題1、「記事の読者の役に立っているかどうかわからない」
自社が発信している情報に対して本当に役に立っているのか、また、需要があるのかどうかについてはわかりかねてしまいます。
アクセス数などのような定量的な情報は当然、アクセス解析などで把握できますが、どのくらいユーザーの役にたったのかは分かりにくい点といえます。
最終的に読者の役に立っているかどうかは内容の質が大きな要因となることに変わりはないので、質にこだわって制作していくべきだといえます。
課題2、閲覧、アクセス数の評価(アクセス数の評価が難しい)
アクセス数についてはツール(GoogleAnalytics等)を使用すれば確認できるようになっています。
しかし、アクセス数が単にどれだけ増えて、そのアクセス数がビジネス面においてどれくらい影響を与えているかなどの分析(つまりは閲覧数とアクセス数の解析)は非常に難しいと言えます。
もちろん、現実的には便宜的にクリック単価などをベースに費用換算を行いますが、本当の意味でどれくらい効果があったのか、冷静な分析を行うのは難しいと言えます。
課題3、効果が出るまでに時間が掛かる為、途中評価ができない
オウンドメディアについてはSEO対策が重要となるため、効果が出るまでに時間を要してしまいます。
そのため、途中での評価が非常に難しくなってしまうのです。
特にオウンドメディアの運用については、当初の方が費用が掛かってしまうため、途中段階で費用対効果を計算してしまうと、確実に割に合わない結果となってしまい、数字の面では途中で中止した方がよいという結論になってしまいがちです。
このように、オウンドメディアについては、実際の効果を算出する事が難しいと言えるのが最大の課題といえます。
そこで、効果が出ていないものの途中段階まで上手くいっているオウンドメディアが中止となってしまう恐れもあります。
それを防ぐためにも、コンテンツマーケティングの課題をKPIで評価することが重要と言えるのです。
4:【コンテンツマーケティング】の課題をKPIで解決する
コンテンツマーケティングの課題はKPIで解決することができます。
そもそもKPIは冒キーとなる重要な指標のことになりますので、単純にそのKPIでしっかりと評価するようにしていくことで「コンテンツマーケティングの課題」解決するのです。
では、まず一般的なKPIの指標の設定のポイントを解説します。
4−1:KPIの設定のポイント:SMART
KPIの設定のポイントと挙げられるのがこのSMART と呼ばれるものです。
これはSpecific(具体的な)・Measurable(計測可能な)・Achievable(達成可能な)・Related(関連した)・Time-boundedly(期限を定めた)という言葉の頭文字をとったものです。
では、それぞれの意味について解説します。
・Specific(具体的な)
KPIの設定が具体的であるというのは非常に重要です。
そして、よくKPIの設定において【アクセス数】を具体的な指標としがちです。
成果が上がっている場合には、それでも問題無いのですが、成果が上がっていない途中段階だと、このアクセス数だけでは判断が難しくなります。
そこで、KPIの設定でやるべきポイントとしては、KPIを滞在時間や直帰率に設定したり、実際の反響数(問い合わせ数)などと連携させるというパターンです。
このように、アクセス数が当初伸びない時期そであっても客観的にオウンドメディアを評価できるような仕組み作りがKPIの設定において重要となります。
・Measurable(計測可能な)
【計測可能】はこの5つの言葉の中で最も重要なことです。KPIのIはindicator(指標)を意味します。
ここからも計測可能でなければならないというのはで想像通りですが、この計測可能な数値は「あえて作り込みにいくこと必要がない」という考えは持っておいた方がいいです。
これはKPIというよりも、そもそも評価する姿勢という点で重要となります。
例えば、質の高い記事を作るということを目標に置いたときに、指標として「文字数」を置いてしまった場合、文字数を稼ぐようにムダな言葉を入れてしまうのは、よくありません。
作り込みにいくのでは無く、状態を正しく評価するための目安とするようにしましょう。
・Achievable(達成可能な)
KPIにおいては達成可能なものの数値を置くことが重要です。
なお、数値を置く際には達成したい目標からKPIを設定するのではなく、現実に達成できる数値からKPIを逆算して設定する方が良いです。
その際の注意点は、「できるだけ高い」けれども「達成可能」な目標数値を置くことということです。
ここでの最大のポイントは【担当者の納得性】です。
むしろ、いくら合理的に目標指標を立てても、担当者が納得いかなければ意味がありません。
その逆もまたしかりです。
そのため、できる限りは論理性を重視しながらも、納得できる目標数値をたてていきましょう。
・Related(関連した)
KPI設定に関して、重要なことは独立したものではなく全体と連携したものの用意が必要だということです。
例えばコンテンツマーケティングでやりがちなのは、アクセス数を意識しすぎることで質を忘れてしまうことです。
質を見てみると、炎上してアクセスが増えただけのことがあったりして、KPIが達成できていたとしても、会社には不利益なことがあったりします。
そのため、全体を意識したコンテンツを作成していきましょう。
・Time-bounded(期限を定めた)
KPIの設定には時間の意識も重要です。速すぎず、遅すぎずです。
どれくらい時間を掛けて取り組むかは、コンテンツの重要度によって変わります。
例えば、とても重要視している際には、一週間単位での投稿をする。
逆にさほど重要視していない場合であれば一週間単位の投稿は少し多いのかもしれません。
ここに関しては各社各様ですので、統一されたルールというものは存在しないので、それぞれの会社内でしっかりと取り決めを作っていきましょう。
4−2:KPIの代表的な指標の解説と【運用】のポイント
ここではオウンドメディアなどでよく使われるKPI運用のポイントを解説していきます。
・PV数:PV数とはPage View数の略で、どれだけそのページが閲覧されたのかということを表します。
これが最も一般的な指標だといえます。
当然ながら、PV数は多ければ多いほど良いものとなっています。
・セッション数:GoogleAnalyticsを見る際には、PV数以外にもセッション数を意識することが重要です。
このセッション数は別名「訪問数」とも呼ばれ、30分以内にサイトに戻ってきた場合はカウントされない数値となっています。
【PV数とセッション数】の違い
PV数はシンプルにそのページが閲覧された回数を表します。
一方でセッション数は30分以内にサイトに戻ってきた場合はカウントされない数値になっているため、目標値としておく場合には本質的な数値になりやすいと言えます。
一方でメディアの規模を示す場合にはPV数の方が一般的です。
どちらを使うのかは、それぞれの状況などによって、変えていくと良いでしょう。
月間UU数:ユニークユーザー数、またはアクティブユーザー数とも言われます。
これは、そのサイトに訪れる固有の人のことを指す言葉です。
月間ユーザー数の場合、同一人物が日にちを変えてそのページを訪れたとしても月間では一人が閲覧したということになります。
さらに月間ユーザー数の総計は、同じ人が色々な端末で視聴している場合もるので、正確な人数をUU数を追いかけてサイトの評価に結びつけるようにしていきましょう。
5:【備考:オウンドメディアの運営における、人数の考え方】

そもそもコンテンツマーケティングはエンゲージメントを高めていくことが目的です。
そこでの注意点はアクセス数だけをKPIとして追わせ無いようにする事です。
オウンドメディアは、閲覧数を目的とした他の広告とは違い、ファンを増やすことが目的ですので、そこをしっかりと目指すようにしましょう。
・自然検索流入数:(オーガニック流入数)
自然に検索してきた人、Googleの検索エンジンからそのまま流入してきた人のことを、コンテンツマーケティングの世界では、オーガニック流入数といいます。
特に、オウンドメディアにおいても、コンテンツマーケティングを重視している場合には、最も重要な指標と言えます。
しかし一方で、検索結果に上位に表示されるために時間が掛かってしまうのが要注意ポイントです。
時間の経過の部分を意識しながらKPIの設定に活かしていきます。
・ソーシャルメディアのシェア数
これはTwitter、Facebook、はてななど、SNS上でのシェア数のことを指します。
これらを利用するかどうかはコンテンツマーケティングの内容で重視するかどうかによります。
この点をKPIと設定する場合には、注意が必要です。
単純にソーシャルメディアのシェア数などを目標数値として置いた場合、炎上してしまったものもカウントされてしまいます。
・CV(コンバージョン)数
これは最終的なゴールに至ったことを意味します。
具体的にはHPにアクセスして貰い、資料請求などをしてもらうという形です。
オウンドメディアでお金をかけていくと判断した以上、これをKPIの目標として設置しがちですが、基本的にどんなコンテンツマーケティングでもCV数に効果が出るのには時間が掛かります。
コンテンツマーケティングだとLPのように魅力を訴求していくのは難しいです。
そのため、コンテンツマーケティングの初期段階にCVのKPIを立てるのはお勧めしません。
そこで記事数やアクセス数が増えてから、CVの目標値を設置することをお勧めしています。
6:まとめ
このようにコンテンツマーケティングにおいてKPIの設定は必要不可欠だといえます。
一方で、KPIの運用の際は注意点は多いです。そこで、この記事で紹介してきたことを意識しながらコンテンツマーケティングでKPIの運用をしていきましょう。
また、弊社はコンテンツマーケティングの記事制作を行っているプロのコンテンツ制作集団です。
特に単純に安いコンテンツを制作するような会社ではなく、本当にクオリティの高い記事を作っていくプロですので、オウンドメディアやコンテンツマーケティングで本当に質の高いコンテンツを制作していきたいという場合には是非、お気軽に御連絡ください!