この記事ではサイトの運営には必要不可欠な「アクセス解析」に関しての解説をしていきます。
特に、単なるアクセス解説ではなく、コンテンツマーケティングを運営している会社やメディアの運営に特化した、アクセス解析の解説を行います。
早速ですが、この記事を御覧の方はアクセス解析を既に導入済みのケースも多いのではないでしょうか?
デイリーでチェックしていたり週ごとにチェックしていたりと会社によって解析の頻度は様々であると思います。
アクセス解析に関するソフトウェアは色々ありますが、今回は最もユーザー数が多いと思われるGoogle Analytics(GA)について主に解説します。
アクセス解析アプリにおいて分析できることはどのアプリを使っても基本的な部分はあまり変わりませんが、細かい部分はアプリによって特性があります。
アクセス解析アプリをまだ導入していないのであれば、この機会に是非Google Analyticsの導入をおすすめします。
1.Google Analyticsなどのアクセス解析ではかなりのことがワカル!

Google Analyticsとは、その名の通りGoogleが提供しているアクセス解析用のソフトウェアです。
基本的に、一般の規模のメディアの運用であれば無料で利用することが可能です。
(アクセス数が非常に多い場合(約1000万PV以上)などは別途コストがかかることもあります。)
黎明期は画面の上に小さい広告が表示されていたのですが、今はそれもなくなり一般のユーザーからすればそもそもアクセス解析を行っていることすら気づかないような仕様になっています。
導入する最大の目的はユーザーのHP上での行動やユーザーがそのサイトに来るまでのフローを分析することです。
様々なメディアで利用されているGoogle Analyticsですが意外と多くの人が基本的な内容しかチェックしていません。
もちろん、基本を押さえれば十分な部分はありますが、実は使いこなせていない機能を理解することでサイトの運営において打てる手数が増えるため、是非この機会に理解を深めましょう。
余談ですが、コンテンツマーケティングを行っていこうという場合にはぜひこのGoogle Analyticsの導入と、一部有料なソフトにはなりますがGRCなどの検索順位のチェックツールなども使ってみてもいいかもしれません。
GRCは検索順位のチェックツールですが、登録したキーワードで自分のサイトが過去を含めて何位になっているのかを追跡してくれます。
検索順位だけを見たい場合はGoogle Analyticsでも見れるのでGRCは無くてもいいですが、GRCを入れる場合にも必ずGoogle Analyticsを入れていただきたいと思います。
2.Google Analyticsの使い方
使い方は非常に簡単なので基本的なポイントに限って説明します。
導入にあたってはサーバーの設定が必要ですが使い方の設定自体は難しくありません。
Google Analyticsの使い方1:Googleのアカウントの作成
普段皆さんが使っているアカウントをそのまま使ってもいいですが、複数人で使う場合には共有のアカウントを作りましょう。
特に独自ドメインなどで運営しているケースではあまりGoogleのアカウントをサイト用に作ることは中々ないと思いますのでこの機会に作ることをおすすめします。
Google Analyticsの使い方2:Google Analyticsへの登録
Google Analyticsへの登録自体お金がかかるものではないのでこの際に登録することををおすすめします。
Google Analyticsへの登録が完了すると【トラッキングコード】というコードが配布されるので、このトラッキングコードを自分のウェブサイトのHeader部分に挿入します。
それほど難しい作業ではありませんが、慣れていない方から見れば難しので、詳しくは担当者へ依頼した方がいいでしょう。
また、WordPressを活用している場合には、Google Analyticsのプラグインがありますので、そちらをインストールすればスムーズに進みます。
HTMLの場合には、全てのページにGoogle Analyticsを入れるのがポイントです。ちなみに、WordPressであれば自動的に全てのページに反映されますので、ご安心ください。
実はGoogle Analyticsの登録はこれだけで完了です。
スムーズなのでハードルが低いのがこのアプリケーションの特徴です。
3.Google Analyticsの基本ポイント〜その1〜

GoogleAnalyticsの画面を見ていただくと専門的な内容が多くわかりにくいと感じられるかもしれません。
基本的な項目についてここで解説していきます。
<基本編>
セッション数 | セッション数とは日本語で言えば訪問数にあたります。ユーザーがサイトを訪れた回数を示しており、同じユーザーが1日に2回アクセスしてきた場合にはセッション数は2とカウントされます。しかし、30分以内のアクセスだとカウントは増えず、1回と表示されます。 |
ユニークユーザー(UU)数 | 一定の期間にサイトを訪れた人数をユニークユーザー数と呼びます。ユニークは「固有の」という意味ですので固有のユーザー数という意味になります。セッション数とは違いあくまで1人1回カウントです。同じ人が朝と夕方サイトにアクセスした場合、セッション数は2ですがユーザー数は1になります。同様に一人のユーザーがスマホとパソコンでアクセスすれば現実世界ではユーザー数は1人ではありますが、ユーザー数はカウント上2になります。 |
ページビュー数( PV) | アクセス解析において最も使われる数値です。何万PV達成など喧伝していることがありますが、そのようにサイトの価値を測る基準になっています。サイトが閲覧された合計の数がPVとなっており、1人にユーザーが短期間で何回も見た場合セッション数やユーザー数は1ですがPV数は増えていきます。 |
この3つの数字をウォッチするだけでかなりのことがわかります。
これらの数字を使った分析は例えば以下のように行います。
ページビュー数÷セッション数で1セッションあたりのPV数がわかります。
当たり前ですが、この数字を見ていくことで、ページを訪れたユーザが他のページも見てくれているかが判断できます。
PV数/セッション数が5や6と比較的高いのであればアクセスしてきたユーザーが他のページにも足を運んでくれていることがわかります。
逆にPV/セッション数が1に近ければほとんどそのページしか見てくれていないのがわかります。
どちらのほうがいいというわけではないですが、重要なのは、サイトの運営の戦略と実数がリンクしているかがポイントになります。
サイト内で色々なものを勧誘するのではなく、一つのコンテンツとしてボリュームがある。そしてその中でCVへの導線もあれば、当然が低いことは問題ありません。
一方でCVをやや遠くしてサイトの中を回遊させることを想定していればこのPV/セッション数の数字は高いことが非常に重要になりますし、それが低いということはサイトのクオリティが低いということになります。
そうなればリニューアルやABテストを繰り返すなどの何らかの対応を行う必要があるでしょう。
CTAがコンテンツページの中に予め入っているのであればCTAの率が高いか低いかで見ていけばいいですが、CTAだけを重視しすぎるとブランディングが弱くなりがちなので、戦略や商材に応じて変えていくとよいでしょう。
4.Google Analyticsの基本ポイント〜その2〜
それでは次にもう一つのGoogleAnalyticsの基本のキーワードを解説していきましょう。
その1とその2を組み合わせるだけで、非常に深い分析を行うことができます。
ちなみに、多くのサイトの運営担当者の方は、この辺りのキーワードを「なんとなく」しか理解していないように思います。
この記事の解説している通りに分析していけば、充分に一般レベルを超えられると言えるでしょう。
平均セッション時間 | その名の通り全てのセッションの訪れていた時間(≒滞在時間)を指します。基本的には、この指標は長ければ長いほうがいいです。 ただこの平均セッション時間に関しては最後のセッション時間が反映されていないので、本当の意味での「滞在時間」ではない点に注意が必要です。 例えば、3つのページを3分、3分、3分と閲覧があったとしても、Google Analyticsの場合カウントは次のページの読み込みの際にされるため、表示上は6分になります。また、サイトを表示しっぱなしの人がいることで平均が上がってしまうこともありえます。特に自社の社員が閲覧しているなどの場合、長くなってしまいかねません。Google Analyticsでは特定のセッションを検出しないようにすることもできるため、自社のIPの除外設定をしましょう。ただ、社員が自分のスマホで動作確認をしてしまうと、長くなってしまうこともありますので、完璧ではありません。ただ、あくまで目安程度に考えて問題ありません。このように様々な要素に左右されてしまうものなのであまり必死になって追いすぎる必要はありません。あまりにもセッション時間が長くなっているような場合に少し気にする程度で構わないでしょう。 |
直帰率 | 自社のサイトを訪れたユーザーの中で他のページに行かないでサイトを離れた率です。基本的には低ければ低いほどいいですが、直帰率が高いということが必ずしもサイトに大きな問題があることを示しているわけではありません。検索エンジンからそのページに訪れ、そのページだけで情報を得ることができたため満足して帰るような場合もあります。 そして、満足した場合にも、当然他のページを見なければ「直帰」したことにカウントされてしまいます。 |
離脱率 | 直帰率と言葉のイメージは似ていますが、全然意味が異なりますので、注意しましょう。離脱率とは、色々なページを見て上で、そのページで離脱した率を示します。他のページと比べて、離脱率が高いページがあればチェックする必要があります。 合わせて、「問い合わせフォーム」のページなど、重要ではありますが、ユーザーから見たら「めんどくさい」ページなどはチェックを継続的に行い、離脱率を下げる工夫が必要になります。 問い合わせフォームの解析が本当に必要なのか、今一度考えてみるのもいいでしょう。例えば、「住所」などは商品を発送する場合には、当然必要ですが、単なる問い合わせの場合に本当に必要でしょうか? あるいは、問い合わせフォームのデザインは入力しやすいでしょうか?この点を離脱率をチェックしながら改善していきましょう。 |
新規セッション率 | そのサイトに訪れた数のうち訪問履歴のない新規のユーザーの割合です。この数値が高いほうがいいのかは戦略によりますが、ただSEO対策を重視している場合はその値が高いほうが検索からの流入が多いと考えられるためいいと言えるでしょう。しかしこれが高いからいいというわけでもなく、リピーターが少ないということは魅力がないとも考えられます。 |
分析では、この4つの数字を俯瞰しつつ大きな問題がないかを見ていきます。
これらは高ければ高いほどとか低ければいいっていうシンプルなものではないので、違和感があるかを重視してサイトのチェックを行っていきましょう。
4.Google Analyticsに慣れてきた人がチェックするポイント
次に、こちらがGoogleAnalyticsに慣れてきた方がチェックしたいポイントです。
単にGoogleAnalyticsのタグをHeader部分に入れただけでは表示されない指標もありますので、注意が必要です。
この数値を自社のサイトについて分析、チェックできるようになれば、優秀なウェブ担当と言えるのではないでしょうか。
目標の完了数(コンバージョン数) | Google Analyticsのアクセス解析において最も重要なものです。Googleではコンバージョン数のことを目標の完了数と表現します。ここでポイントになるのが、今まで見てきたものはヘッダーにGoogle Analyticsを入れれば勝手に表示されるものでしたが、これに関しては何をコンバージョンとするかが会社によって異なるためコンバージョンの設定を行っていく必要があります。購入後や資料請求後のサンクスページをコンバージョンに設定することで、目標の完了数を計測可能です。 |
目標値 | コンバージョンの金額を設定することもできます。ECサイトのように金額に関わるものは、安いものを大量に買われても利益が出ないため金額も目標値として設定可能です。ただコンテンツマーケティングの世界ではあまり使われません。 |
コンバージョン率 | コンバージョンが達成された率で、これも非常に重要です。アクセス解析においてはCV Rate(CVR) と言われています。どのくらいの数字を目標にしていくかは業態などによっても目安が異なります。CVRを宣伝しているサイトがありますが、安価な商材でなければ高くても2,3%程度に抑えておくのが現実的です。CVRが高すぎるということは、意欲ある顧客しか訪れていないということになるためナーチャリング(育成)ができていないと言えます。CVRが高いということは取り逃しが多いと判断すべきです。 |
目標全体の放棄率 | ショッピングカートに商品を入れたけど買わなかったなど、途中でやめた人たちの率です。 |
どうしても、メディアを運営していると目先のPV数などに目が行きがちですが、コンバージョンに関わる数字を優先して見ていくようにしましょう。
あまり手を加えられていないことが多いので改善することで結果に結びつきやすいです。
アクセス数が増えても購入までに多くのプロセスがあり結果には直結しないため、コンバージョンなどゴールに近い部分に対するテコ入れを行うことが重要です。
SEO対策の会社がここを気にするのも大事ですが、一緒にコンテンツを作っていくライターがこのあたりを一緒に見ていけるとクオリティの高いコンテンツが作りやすいです。
我々はコンテンツ制作を中心に行っていますので、その部分を一緒に改善していけます。
5.こんなこともワカル!ぜひチェックしたい項目

Google Analyticsを今回の内容を踏まえて見て行くことでいろんな事がわかります。
リアルタイムでコンバージョンしたユーザーがどのようなルートでコンバージョンに繋がったのか、コンテンツをどういう風に作っていくのがいいのか。
サイトを訪れたキーワードが何か。
などがわかってくることでクオリティの高いコンテンツの作成に繋がります。
今回はGoogle Analyticsについてのみ解説しましたが、その他のツールを使っている会社も多くあります。
ちなみに、Google Analyticsを学んでいくことはいいことですが、成功している会社がGoogle Analyticsを必ずしも高いレベルで使いこなしているかと言えばそうではなく、ある程度把握している程度であることも多いです。
マニアックに色々解析することもできますが、あくまで今日伝えたくらいのレベルの中級者レベルで十分ともいえるでしょう。
サイト全体の改善には、細かい分析より、いかにアクセス解析の観点を踏まえてコンテンツを作れるかが重要になります。
言ってしまえばアクセス解析は過去のことであり、細かく細かく見て睨み合っててもいいものを作っていかないと改善に繋がっていきません。
アクセス解析の中身を考えて記事を書いてくれるライターやSEO対策のディレクションをしてくれる人材がいてくれることが重要です。
その意味で我々は表面的なものではなく本当に結果につながるようなコンテンツ作りを一緒になってやっていくことができるので、そういった方向性でやっていきたいのであれば是非お問い合わせください!